AI画風変換プロンプト9種|キャラはそのまま絵柄だけ変える
同じキャラクターに9種類のAI画風変換プロンプトをEdit Proで実際にかけました。コピーしてそのまま使えるプロンプトと、各スタイルで何が変わるかをまとめています。
画風変換ツールはどれも同じ提案をします。プリセットを選べばフィルターがかかる、と。プリセットの数以上の細かさが欲しかったので、PixAI の Edit Pro に11本のプロンプトを書いて通しました。キャラクターも元画像も毎回同じ。変えたのはプロンプトだけです。9本は使える仕上がりになり、2本は霧になりました。
下のプロンプトはすべてコピーしてそのまま使えます。2本が壊れた理由も書きました。その日いちばんの収穫はそちらでした。
AI画風変換の手順 · 3ステップ
仕組みはこれだけです。腕の差が出るのは貼り付ける中身のほうで、調整するときは一度に1か所だけ変えると、何が効いたのかがわかります。なおプロンプトは日本語で書いても通ります。掲載画像は英語版で生成したものです。
▸ 原則
引き算だけのプロンプトは、キャラクターまで引いていきます。
— PART ONE —
画風プロンプトを構成する6つの枠
この形はホワイトボードで設計したものではありません。社内チャットに投稿された1本のプロンプトが、たまたまきれいに6つに分解できた、というだけです。以下のレシピはすべてこの形に沿っています。
SLOT 01
スタイルの系統
ウェブトゥーン、セル画、リソグラフ、油彩。どの伝統から借りるか。
SLOT 02
線
太い、細い、なし、手描き、均一。この枠だけで印象が決まることもあります。
SLOT 03
エッジ処理
硬い、柔らかい、消す、あえてギザギザに。いちばん危険な枠です(PART FOUR 参照)。
SLOT 04
光
どこから来て、どれだけ急に落ちるか。リムライトは構造のアンカーも兼ねます。
SLOT 05
配色の方針
ベタ塗り、グラデーション、限定パレット、寒暖の分割。キャラクターが変わりやすい枠でもあります。
SLOT 06
表面の質感
紙目、フィルムグレイン、筆跡、網点。コストが低く効果が大きい枠です。
ここはあまり語られない部分です。構造を足す枠があります。「面で形を作る」「髪を一本ずつ描く」「粗い木炭の輪郭」。一方で構造を引く枠もあります。「線画なし」「エッジを消す」「大きな余白」。
11本のうち9本には、足す指示が1つ以上入っていました。その9本はすべてキャラクターを保ちました。引き算しかなかった2本は崩れました。
📌 絶対に守ること
画風を書く。被写体は書かない。「青い髪」「白いワンピース」が入った瞬間、Edit Pro は塗り直しではなく描き直しを始めます。この原則はスウォッチ09 で私たち自身が破りました。証拠は PART FIVE にあります。
自分で書くより整えられた選択肢から選びたい場合は、カスタムスタイル機能がスタイルコードのプリセットを、画像強化ツールがワンクリックのフィルターを用意しています。プリセットは一貫性を、プロンプトは制御を買うものです。プロンプトの構造そのものについては PixAI プロンプトの型から。
— PART TWO —
下地になる1枚
BASE · 未加工
どんな画像かは押さえておく価値があります。ハイキー、白背景、水しぶきが多い。この選択は後で代償になりました。明るい元画像は淡い配色を指定するプロンプトと衝突しますし、情報量の多い背景はぼかし系のプロンプトに材料を与えすぎます。自分で試すなら、中間トーンで背景の単純な画像のほうが安全です。
— PART THREE —
成立したAI画風変換プロンプト9種
SWATCH 01 · ハードエッジ
90年代アニメセル画
1990s anime cel animation style, even-weight hard outlines, two-tone hard-edged shading, limited color palette, desaturated retro colors, subtle film grain, scanned print feel, nostalgic color cast
変わるところ:色の印象が大きく動きます。ピンクは赤へ、淡い青は紺へ、肌はぐっと暖色寄りに。透明だった水はフラットなクリーム色になりました。画風の再現度は高い一方、キャラクターは出発点の配色を手放しています。
SWATCH 02 · 線と淡彩
日系イラスト(淡彩)
Japanese illustration style, delicate flowing line art, hand-drawn linework texture, refined hair strands, soft shadows, flat coloring, artistic illustration
変わるところ:ベタ塗りを指定したのに、出てきたのは水彩のグラデーションでした。スタイルの系統の枠が配色の枠を上回っています。背景の水は泡のディテールを失い、面としての淡彩になりました。
SWATCH 03 · 厚い絵の具
厚塗り油彩
impasto oil painting, no line art, visible brushstrokes, thick layered paint, form built in planes, strong light-shadow contrast, warm-cool color interplay, mixed soft and hard edges, classical oil texture
変わるところ:筆跡が顔を引き受けます。閉じた目と口はやわらかくしか読めず、眼帯は頬に溶け込みました。白い髪はクリーム色へ。このプロンプトには「線画なし」という引き算が入っていますが、「面で形を作る」が構造を戻しています。成立したのはその釣り合いのおかげです。
SWATCH 04 · グロス
韓国ウェブトゥーン
Korean webtoon style, ultra-thin or absent linework, luminous translucent skin, soft gradient shading, bright highlights, clean fresh colors, detailed eye highlights, modern illustration feel
変わるところ:9つのうち変化がいちばん小さい1枚です。元画像がすでに整ったアニメ塗りだったため、ウェブトゥーン化は微調整にとどまりました。ラフな線画や下描きが元なら差ははるかに大きく出ます。韓国系の絵柄を本格的に狙うなら、生成の段階で Serin を使うほうが早いことが多いです。
SWATCH 05 · グレイン
80年代後期 OVA セル画
late-1980s to 1990s OVA anime cel style, hard-edged two-tone shading, hair drawn strand by strand, deep-toned lip color, pronounced film grain, heavy high-contrast shadows, desaturated cream and dark green palette, vintage scanned print texture
変わるところ:このセットで最も色が動いた1枚です。淡い青と白の髪はティールとクリームに、ピンクは暗い赤に、肌は深い小麦色になりました。画風としては説得力があります。キャラクターとしては、ほとんど別人です。
SWATCH 06 · 印刷
リソグラフ印刷
screen-print risograph illustration, large flat color blocks, rough pencil and charcoal outlines, deliberately jagged and offset edges, halftone dots and diagonal hatching as texture, limited palette of four colors or fewer, geometric simplification of forms, misregistered print layers
変わるところ:失敗すると思っていた1本です。「あえてギザギザに、ズラす」は欠陥に見えるものを入れろという指示ですから。結果は版ズレまで含めて決まりました。ただし4色までという制限が、すべてをブルー・ピンク・クリームに割り当てます。白い髪の部分はクリームとして読まれ、背景と近くなりました。レースは網点に還元されます。
SWATCH 07 · グラフィック
ポスター風厚塗り
poster-style painterly illustration, bold decisive brushstrokes, flat gradient background with no detail at all, orange rim light tracing the figure’s contour, fabric summarized with sharp high-contrast highlight strokes, saturated accent against large desaturated areas, silhouette-driven composition
変わるところ:9つの中でキャラクターの一貫性が最も高く、その理由はリムライトにあります。輪郭をオレンジでなぞることが実質的に線を引き直す働きをして、シルエットを固定します。背景はフラットなグラデーションに置き換わって消えました。もうひとつ白状すると、最初の版では「黒い布」と書いていました。被写体の語です。それで白いレースのワンピースが黒くなりました。上のプロンプトは修正済みですが、画像は最初の版のままです。
SWATCH 08 · クールグロス
クールトーン厚塗り
Korean manhwa-style rendering, smooth surface with no visible brushwork, ultra-refined gradient transitions, magenta rim light tracing the figure’s edge, banded hair highlights, cool green-grey dominant palette, elongated refined features, slight chromatic fringing, high finish
変わるところ:「寒色のグリーングレーを主色に」がキャラクター自身の色と衝突し、勝ちます。全体がシアンに傾きました。スウォッチ02 と並べると、他の枠がほぼ同じでも配色の句ひとつで見分けやすさがどれだけ動くかがわかります。
SWATCH 09 · ローキー
ローキー厚塗り
loose painterly digital painting, unrefined visible brushstrokes, semi-realistic facial proportions, single warm light source, cold dark environment crushed toward black, desaturated grey tones, softly blended skin with rough contour edges, clothing summarized in fast strokes, subtle noise grain
変わるところ:白いレースのワンピースはほぼ影に入り、下3分の1は黒に落ちます。明るい服のキャラクターなら覚えておく価値があります。ここで効いているアンカーは「半写実の顔の比率」です。これがなければ PART FOUR 行きでした。
— PART FOUR —
崩れた2つと、直さなかった理由
不採用 · 白飛び
エアブラシ磁器肌
不採用 · 溶解
エッジ消失の印象派
2本のプロンプトを読んで、引き算の数を数えてみてください。
airbrushed soft rendering, porcelain skin with almost no surface texture, very pale desaturated palette, glossy lips and eyes as the single focal point, fine individual hair strands drawn over the soft base, virtually no linework, large clean empty areas
large-stroke impressionist painting, heavily lost and merged edges, hair dissolving into the background with no clear separation, strong warm-cool light split, olive-grey neutral ground, one point of sharp focus with everything else blurred, wet blending, semi-abstract
質感をほぼなくす。かなり淡く。線画は実質なし。大きな余白。エッジを消す。溶かす。他はすべてぼかす。半抽象。どちらのプロンプトにも、モデルに作らせる句が1つもありません。
引き算のきつい句を削って2回目も回しました。同じ霧でした。その2回目の失敗で、もっと筋の通った読み方が見えました。これは調整不足のプロンプトではなく、ツールが守るために存在しているものを壊せと言っているプロンプトだった、ということです。
▸ 不具合ではなく境界線
Edit Pro の役割は、周りの描き方が変わってもキャラクターを保つことです。「被写体を背景に溶かす」はキャラクターを消せという依頼にあたります。ツールは押し返しました。
本当に抽象的な絵が欲しいときは、画風変換ではなくゼロから生成してください。守るべきキャラクターがそもそも存在しません。SDXL プロンプトガイドから始められます。
— PART FIVE —
予想していなかった3つのこと
FINDING 01
限定パレットは必ずキャラクターの色を持っていく
スウォッチ03・05・08 はいずれもパレットを絞っています。3つとも色が動きました。ピンクが赤に、淡い青がティールに、白い肌が小麦色に。個別のプロンプトの欠陥ではありません。使える色数が減れば、どこかにしわ寄せが出ます。時代感のある配色か、元のキャラクターの色か。両方は取れません。
FINDING 02
被写体の語は、わかっていても漏れる
「黒い布」でワンピースが白から黒になりました。記事の冒頭に原則を書いておきながら、4セクション後に自分で破っています。「どう描くか」の記述に見えたからです。違います。色・素材・衣類の名前を含む名詞はすべて被写体の語です。「黒い布」ではなく「布」と書きます。
FINDING 03
元画像が半分を決める
2つの失敗は、選んだ元画像にも原因があります。ハイキーの白背景に淡いプロンプトを重ねれば白に白です。細かい水しぶきにぼかし系のプロンプトを重ねればスープになります。プロンプトを書き直す前に入力を替えてください。背景の整理が先なら PixAI の編集ツールが数クリックで片付けます。
— FAQ —
貼り付ける前に
プロンプトは英語でないといけませんか?
いいえ。Edit Pro は Tsubaki.2 と同じく、どの言語の自然文でも読み取ります。複数の言語で回して同じ結果になりました。日本語で書いて問題ありません。掲載しているのは画像を生成したときの英語版で、必須ではありません。
画風を変えるとキャラクターも変わりますか?
ポーズ、構図、顔の造作はよく保たれます。弱いのは色で、特に限定パレット系の画風で動きます。画風の再現度より色の維持が大事なら、配色の句を外して試してください。複数の画像でキャラクターを固定する方法は キャラクターの一貫性ガイドにまとめてあります。
仕上がりがぼやける・白飛びするのはなぜですか?
プロンプトの中で「何かをなくす」句がいくつあるか数えてください。線画なし、柔らかいエッジ、淡い色、余白。その割合が高いなら、構造を戻す指示を1つ足します。「顔の輪郭をはっきり」「明暗の境界を明確に」「面で形を作る」あたりです。そのうえで元画像が明るすぎないか、情報量が多すぎないかを確認します。
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— ここから —
9つのプロンプト、アップロード1回、設定不要
キャラクターの一貫性を最優先するならスウォッチ09、見た目の振れ幅がいちばん大きいのは05、元画像がすでに近いなら02から。
